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物流企業の25年3月期中間決算 運賃単価上昇も委託費増

物流企業の25年3月期中間決算 運賃単価上昇も委託費増

 物流企業の2025年3月期第2四半期決算がほぼ出揃った。集計した44社のうち増収が9割以上の40社、うち2ケタ増収が6社。営業利益は増益が26社と約6割だったものの、2ケタ増益は20社と増益企業の実に77%が大幅な増益となった。
 増収企業の多くが「取扱貨物の増加」「輸送需要が想定を上回った」とし、特に半導体供給不足解消により「自動車メーカーの生産が正常化」「自動車関連の取扱増」を挙げる企業が複数あった。
 2ケタ増益を果たした企業は、「運賃改定効果」「運賃単価上昇」を主な理由としている一方、増収に比べて増益企業が少なかったのは、人件費やエネルギーコストの高止まり、作業コストの上昇、委託単価の上昇のほか、「価格転嫁が想定を下回った」ことを挙げる企業もみられた。
 国際物流は、ほぼ平常に戻っているものの、それでも「輸出貨物取扱減」「円安」により減収減益となった企業もある。
 通期見通しは、上方修正した企業が目立つ。売上高は16社、営業利益は15社と、全体の3分の1強に及んでいる。増収増益となったものの、「環境が不透明」として予想を変更しなかった企業もあった。
 利益を下方修正したのは8社。全体の2割弱だが、決して少ないとはいえない。要因は「委託単価が上昇していること」や「IT・人的投資が増えている」ことを挙げており、運賃単価の上昇が浸透しているとはいえ、人手不足は続いており、経営環境は予断を許さない状況にある。
 増配を予定している企業も12社あった。多くの企業が「内部留保を確保しつつ、配当性向40%を目指し、安定配当・業績連動を考慮した配当を実施」する方針を示した。
 コロナ以降、売上高・利益は従来以上に変動が大きくなっている。中間決算の推移をみると、コロナが始まった21年3月期は1割前後の減収、それを上回る減益となった。翌22年3月期は反動により多くの企業が増収・大幅増益を果たした。23年3月期も多くの企業が増収増益となり、通期予想を上方修正した。24年3月期は、逆に多くの企業が減収減益となり通期予想を下方修正した。
                      2024.11.19

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