- トップ
- NEWSダイジェスト
- 鴻池運輸 AGFでトラックへ 自動荷積みを実運用
物流会社
鴻池運輸 AGFでトラックへ 自動荷積みを実運用
鴻池運輸 AGFでトラックへ 自動荷積みを実運用
同営業所は大手飲料メーカー綾瀬工場に併設、工場全体の敷地面積は12万5345㎡のうち、配送センターの延べ床面積は2万1842㎡。鴻池運輸は工場で製造された飲料製品の保管・入出荷・配送業務を担う。
東日本支店の仲山智紀所長は「フォークリフトオペレータを含めた労働力不足を見据え、安定的な物流サービスを継続して、自動化・省人化による生産性向上を選択した」と語る。
鴻池運輸が対象としたのは、自動倉庫(6万1180棚)から出庫された段ボールのトラックへの自動荷積みだった。立体自動倉庫から掃き出されたパレットに積載された荷姿の荷物を対象に、指定場所で停止中のトラックへの自動積付けを目指す。積み込みは、大型・トレーラーへの有人フォークリフト積み込みと同等の15分以内、ウィング開放などを含めたトラック入れ替え時間は30分以内、最終目標として目指すのが完全自動化だ。
鴻池運輸と三菱ロジスネクストが無人搬送フォークリフト(AGF)をキーデバイスに、自動化プロジェクトを開始したのが2021年10月、実証実験を段階的に実施した。フェーズ0はAGVを活用した積み込み作業、路面など平滑・勾配なしの路面設計とトラック駐車位置検出システムを評価。フェーズ1で試作車デモが完成、AGF1台によるデモ走行を行い、リフレクター設定により位置確認機能などを検証。フェーズ2はAG F2台による検証を行い、今年3月15日に実運用にこぎつけた。
デモではウィング左右に計16パレット分の荷物(9型プラスチックパレット)を一段積み・15分以内に完了した。三菱ロジスネクストによれば、AGFが自らの判断で隙間なく荷物を設置できるところがポイントだという。
また、従来の磁気誘導方式のようなルート全域に対する床面工事は必要なく、倉庫内に反射板を取り付けるだけで稼働を止めずに導入できるため、賃貸倉庫や平置き段積み倉庫でも、フレキシブルにルートや作業内容の変更が可能となった。
鴻池運輸は2030 年ビジョンで「技術で、人が、高みを目指す」を掲げ、先端テクノロジーを使いこなし、現場で培われてきた職人の技術を掛け合わせて現場のあり方を進化させていくとしている。「複数バースやほかの拠点での横展開も検討するなど、コンセプトを拡げていきたい」と仲山氏は展望した。
2024.10.15