運輸新聞｜1920年創刊の物流・ロジスティクス・運輸・運送業界の専門紙

　カインズとＰ＆Ｇジャパンは、Ｐ＆Ｇ独自のＡＩ需要予測システムの運用を強化し、トラックの帰り便を活用した共同輸送の本格展開を開始した。
　物流の２０２４年問題対策のため、両社は昨年10月、北関東エリアのカインズ流通センターから店舗へ輸送するカインズの配送トラックが、帰り便でＰ＆Ｇ高崎工場の物流センターを経由し、Ｐ＆Ｇ製品を積載してカインズ流通センターに運ぶ共同輸送の試験運用を開始していた。
　９カ月の試験運用の結果、トラックの待機時間やドライバーの付帯作業の削減が確認できたことから、今年７月には全国９拠点のカインズ流通センターを経由する共同輸送物流網を構築し、本格展開を開始した。
　２０２０年から開始したＡＩ需要予測システムにより、各店舗の売り上げ、在庫、将来の販促プランなどさまざまなデータを連携させ、Ｐ＆Ｇ製品については店舗ごとの最適な在庫計画や納品量、納品頻度の算出が可能になったことから、トラック単位・パレット単位のまとまった量を早期に発注する仕組みを構築した。
　両社は、ジョイント・ビジネス・プラン（ＪＢＰ）に基づき包括的なサプライチェーン協働を進めており、今回効率的な物流ネットワーク構築の実現の第１弾となる。
　カインズは、今回のような共同輸送の仕組みをパートナー企業とも共有できるよう輸送プラットフォームをつくっていく。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２０２４．９．１７