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国土交通省 環境行動計画改定に着手

国土交通省 環境行動計画改定に着手

多様なモビリティを活用

 国土交通省は、2021年12月に策定した同省環境行動計画の改定作業に着手した。9月10日に社会資本整備・交通政策審議会環境部会にグリーン社会小委員会を設置し、初会合を開催。政府が今後10年のロードマップを示すため年内に策定するGX2040ビジョン策定などを参考に、1年余をかけて審議を行い、来年6月頃改定する。
 現行の環境行動計画のうち、運輸分野の主要な取り組みに①次世代自動車の普及促進(事業用自動車の買い替え促進、EV充電施設や水素ステーションの設置、走行中給電システム技術支援)、②SAFの導入促進、③ゼロエミッション船の普及促進、④水素燃料電池鉄道車両の開発・導入、⑤モーダルシフトの推進が挙げられている。
 21年10月に閣議決定した地球温暖化対策計画では、わが国温室効果ガス排出の削減目標として13年度比46%減(それまでは26%減)が示された。13年度実績は14億800万トン、19年度実績は13年度比1億9600万トン(13・9%)減であり、そこからさらに4億5200万トン削減することが求められる。
 うち運輸部門は削減が難しい分野の1つであり新たな目標値は13年度比35%削減とされた。13年度実績2億2400万トンに対し、19年度は13年度比1800万トン(8・0%)減であり、そこからさらに6000万トン削減する必要がある。
 政府のGX実行会議はエネルギー、GX産業立地、GX産業構造、GX市場創造のテーマに沿って議論を進めており、年内に今後10年程度の分野ごとの見通し(ロードマップ)を示すとともに、23年5月に成立したGX推進法およびGX推進戦略で、10年間に150兆円規模の官民GX投資を行うことを決定。既に、電動車の導入支援、SAF製造、断熱窓への改修、高効率給湯器導入などで約13兆円が措置済みとなっている。
 今年5月にはエネルギー基本計画、地球温暖化対策計画の改定作業が始まっており、年度内に改定される予定。
 こうした動きを横目に、国交省環境行動計画は、従来のカーボンニュートラル・GXに加え、生物多様性(ネイチャーポジティブ)、循環型社会形成(サーキュラーエコノミー)の観点からも議論していく。
 カーボンニュートラルやGXの観点からは、低炭素な物流への転換として、多様なモビリティのベストミックスによる低炭素な交通手段への転換のほかモーダルシフト、ダブル連結トラック、中継輸送、自動運転トラック、自動物流道路などをどう位置付けるかも議論の対象となり得る。
                        2024.9.17

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