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運総研シンポ  目的は持続可能性

運総研シンポ  目的は持続可能性

デジタル化  皆で育てることも

 物流デジタル技術を解決のカギに、物流シンポジウム「持続可能な物流システムの構築に向けて」が運輸総合研究所主催により7月22日に開催され、西成活裕東京大学大学院教授をモデレーターにパネルディスカッションを実施(写真)。いかに標準化ができるかが焦点に挙げられた。
 デジタル化は手段であるが、では目的は何かについて、三菱食品の田村幸士取締役常務執行役員は「デジタル化で可視化する。それだけだと荷主はコストしか関心を持たないので、配送や作業人員などを可視化してデータ化を進める。われわれは、データの共同化による最適化に力を入れている。目的はというと、コストとトレードオフにある品質、持続可能性」と説明。
 Hacobu代表取締役の佐々木太郎氏は「データをみることで、どうして生産性が低いのかがわかる。高めるきっかけになる」と述べた。
 各氏が、目的はコストでなく持続可能性であることに賛同した。
 デジタル化が日本で進まない要因について、野村総合研究所の藤野直明氏は「1つは標準化。今までは荷主が無関心だったが、CLOが出てくれば、CLOの役割は標準化になる」。田村氏は「メーカーは最終消費者を刺激しようとしてほかにはないものをつくろうとする」と、標準化が思い通りに進まないことを指摘すると、佐々木氏も「デジタル化だとみな100点を取りたがる。データは育てることが前提」と述べるとともに、「現場の課題解決は、データによりマネジメントを変えられる」とすると、田村氏も「現場も経営者もトラックが取れない中、今が良い機会」とした。
 NXHDの大辻智常務執行役員は、オペレーションの標準化がまず大事と語るとともに、会場に向かい「そろそろパレットを統一しませんか」と訴えた。
 最後に田村氏が「持続可能性・コスト・品質の3つの価値を創出する道具としてDXを使うことが肝要」と述べた。
                         2024.7.30

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