運輸新聞｜1920年創刊の物流・ロジスティクス・運輸・運送業界の専門紙

　いすゞ自動車とＧａｔｉｋ　ＡＩ　Ｉｎｃ．（本社＝米国カリフォルニア州）は、北米自動運転事業におけるパートナーシップを構築することを目　的にいすゞからＧａｔｉｋに対して３０００万ＵＳドル（約47億円）を出資することで合意した。両者はこの資本業務提携を基に、自動運転レベル４による移動サービスの社会実現を目指す。

　今回、両者間で自動運転事業開発および、自動運転システム搭載を前提に安全性を担保した新たなシャシの設計・開発に関する協業について合意した。いすゞは４月に公表した中期経営計画において、新事業の柱として確立するため、①自動運転ソリューション②コネクテッドサービス③カーボンニュートラルソリューション――の３領域を掲げる。自動運転ソリューションへの挑戦として、２０２７年度中の自動運転レベル４のトラック・バス事業の開始を目指す中で、今回の提携が実現。

　Ｇａｔｉｋは、北米の中距離で自動運転物流サービスを提供する唯一の企業で、小型および中型の自動運転トラックを使用して配送するサービスを展開。特に、大手企業向けのＢｔｏＢ物流に注力し、21年には完全無人商用配送にも成功した。同社の自動運転トラックは、米国のテキサス・アーカンソー、カナダのオンタリオをはじめとする各州の市場で商用展開されている。

　いすゞは今回の提携により、米国・カナダで中距離での自動運転事業に参入し、北米で深刻化するドライバー不足や急増する配送ニーズなどの社会課題の解決を推進する。さらに、自動運転システムの搭載を前提とした安全性能を有する新たなシャシを共同で設計・開発し、27年度中の量産開始を目指す。

2024.5.24