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社会資本・交通政策計画の進捗状況報告

社会資本・交通政策計画の進捗状況報告

緊急パッケージ  KPIに反映を

 社会資本整備重点・交通政策基本計画の本格改定に向け、両審議会計画部会は14日に合同会議を開催し、施策の進捗状況(KPI)を報告した。物流の2024年問題も1つの焦点となり、委員からは、物流革新緊急パッケージで鉄道・内航の輸送量・輸送分担率を今後10年程度で倍増するとしているのに、目標が低いと指摘があった。
 両計画ともに2022~2026年度を計画期間としており、来年度は中間年に当たり、今後改定作業を本格化させるため、今回施策の進捗状況を報告。
 社会資本整備重点計画は、目標に向け成果を示している項目が多いが、サプライチェーン全体の強靭化・最適化は、成果を示しているのが3項目、示していないのが3項目。成果を示していないもののうち、わが国に寄港する国際基幹航路の輸送力は、コロナの影響により世界的な国際海上コンテナ物流の混乱があったことに加え、わが国港湾がアジア主要港と比べ相対的に貨物量が少なく、国際基幹航路のわが国への寄港回数が減少傾向にあることが理由に挙げられた。
 道路による都市間速達性確保も、未整備区間の影響により地域によるバラつきがみられるとしている。
 交通政策基本計画は、サプライチェーン全体の徹底した最適化による物流機能の確保が目標に掲げられており、今回の会合でも物流の2024年問題にどう対応していくかが課題に挙げられた。
 その際、複数の委員が物流の革新に向けた政策パッケージや物流革新緊急パッケージが反映されたKPIになっていないと言及。特にモーダルシフトの指標は、輸送力が2030年に34%も不足し、緊急パッケージで倍増を謳っているのに目標が低すぎると指摘した。ほかの委員は「倍増には懸念があるが、宣言した以上は物流インフラ投資がもっと求められる」として、GX移行債に鉄道や内航インフラを含めるよう、国土交通省に努力を促した。
 財政的な負担が大きいほど進捗していないとの指摘もあり、今後の改定作業でも財源をどう確保するかが大きな課題となる見通し。
                       2023.12.19
 

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