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トラック運送 転嫁率は依然最下位

トラック運送 転嫁率は依然最下位

価格交渉月間調査結果 交渉に応じたは上昇

 中小企業庁は、9月の価格交渉促進月間でのフォローアップ調査の結果(速報)を公表した。トラック運送業は、「価格交渉に応じた」割合は前回(3月)の26位から22位へ上昇したが、転嫁率は率自体は向上したものの最下位(27位)のまま変わらなかった。

 中小企業庁は、受注中小・小規模事業者が実際にどの程度価格交渉・転嫁できたかを把握するため、2021年9月から毎年3月と9月を価格交渉促進月間と定め、フォローアップ調査を実施しており、5回目となる今回(23年9月)は30万社を対象に調査を行い、回答企業数は3万5175社、回答から抽出される発注側企業数は延べ4万2924社だった。

 全体的な傾向として、発注側企業から交渉の申し入れがあり、価格交渉が行われた割合は、前回(3月)の7・7%から14・4%に倍増、価格交渉を希望したが、交渉が行われなかった割合は17・1%から7・8%へと10ポイント程度下がった。

 なお、業種によってコストが上昇しなかったため価格交渉は不要と回答した企業が全体の16・4%と約8ポイント上昇した。

 調査27業種中、価格交渉に応じたかを10点(コストが上昇しなかった)からマイナス10点(交渉を申し出たが、応じてもらえなかった)の点数で集計した結果、トラック運送業は前回の26位(27位は通信業)から廃棄物処理、放送コンテンツ、不動産業、製薬を抜いて22位に上昇した。

 1位は造船、2位は機械製造、3位は化学、4位は食品製造などとなっている。しかし、コスト増に対する転嫁率は前回の19・4%から24・1%へ上昇したものの、最下位のままだった。

 発注者に納めるサービスのコスト(労務費・エネルギー費・労務費・その他)の約4割を占める労務費、25%を占めるエネルギー費は前回より転嫁率は上昇はしたものの、1ポイント程度の微増にとどまり、原材料費の低下率は逆に低下した。

 中小企業庁は、価格交渉できる雰囲気は醸成されつつあるが、賃上げ原資を確保するためにも価格転嫁率のさらなる向上に向けて公正取引委員会とも連携し、粘り強く対策を進めていく。

 また、今回の調査とは別に下請Gメンによるヒアリングも実施しており、調査結果を確報版として12月以降公表する。さらに、発注企業ごとの交渉・転嫁の状況の評価を企業リストとして来年1月に公表する予定で、合わせて評価が芳しくない発注企業の経営者トップへの指導・助言を事業所管大臣名で行う予定。

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