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パレット実態調査▼出荷時46%が手荷役
パレット実態調査▼出荷時46%が手荷役
標準化で3.1億トン輸送可能
NX総合研究所は、国土交通省から委託を受け、パレット標準化の実態調査、標準化の効果試算などを行い、官民物流標準化懇談会パレット標準化推進分科会に報告した。標準化による作業時間の削減により新たに運ぶことのできる貨物輸送量は約3・1億トンと試算した。
パレット利用の実態調査は、過去にJILSが実施した対象25業種の中から、パレット利用にそぐわない業種(鉄鋼業など)を除いた業種ごとの業界団体を通じて実施したもので、224社が回答。
回答企業は積極的に物流の効率化を推進しており、全企業平均より高いものと推測されるが、すべての輸送量を分母とした場合のパレット化率は社内の施設への輸送71・7%、社外の施設への輸送71・8%、保管86・7%となった。
一方、保管から出荷時の荷役作業状況は、54%がパレットのまま輸送されているが、残りの46%は別パレットへの積み替えやバラ積みなどの手荷役が発生している。
平パレットのサイズは1100×1100ミリが幅広く利用されており、パレットの調達形態はレンタルが31・7%だった。
パレットの回収は、荷主が自社の費用で自ら行い、少量・随時回収となっているケースが多いと推測される。
共同利用・共同回収システムの普及・拡大の必要性は、3分の2が必要と回答し、理由は「利用者が増えることでパレット利用の費用が削減される可能性があるから」と「利用者が増えることでパレットの効率的な利用が可能となり、資源投入量が少なくなるから」の回答数が多い。
民間の企業間で取り組めると考えられる方策案(グラフ参照)は、「パレット単位の発注促進(パレット割引の適用)」が最も多く回答企業(205社)の過半数を超える回答数となった業種が多い。
レンタルパレットの利用拡大やレンタル会社による共同回収の実施は食品業(加工食品や冷蔵冷凍食品)で回答が多く、手積み・手荷役作業の自動化は石油化学工業で多かった。
■ドライバー不足を補える計算に
一方、パレットの標準化による効果試算は、パレット化可能な貨物輸送量について、標準的な規格・運用のパレット利用により積替え。手荷役作業がなくなった場合の年間効果は6867億円(現状比16%)削減、作業時間は2・3億時間(同32%減)削減となった。
また、作業時間の削減分で新たに運ぶことのできる標準化されたパレットによる貨物輸送量は約3・1億トン(2・3億時間÷0・75(時間/トン)となった。
NX総合研究所は、ドライバーの年間拘束時間が3300時間となった場合に不足する営業用トラックの輸送トン数(19年度データ)を4・0億トンと試算し、持続可能な物流実現検討会で報告したが、その8割近く(77・5%)がパレットの標準化で補える計算になる。