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福通・広島大▼居眠り運転事故、瞬眠で発生
福通・広島大▼居眠り運転事故、瞬眠で発生
ドラレコ映像から解明
福山通運が広島大学で行っている睡眠医学に関する寄附講座の研究グループは、居眠り運転事故直前のドライブレコーダー映像の分析から、衝突直前の運転中の居眠りの実態がマイクロスリーブ(瞬眠=15秒未満の短い睡眠)であることを突き止め、その特徴を明らかにした。28日、同大学で記者発表する。
2016年4月から2021年3月の間に発生したトラックによる居眠り運転事故のうち、ドライブレコーダーに記録された衝突事故直前1分間の映像(車内カメラ撮影によるドライバー全身像と、車外カメラ撮影の車両前方映像の両方)が残存していた52件について、車内と車外の映像を同時に1秒ごとに分析。
結果、居眠り運転事故直前にマイクロスリーブが頻発し、関連行動として①抗眠気行動②マイクロスリーブ行動兆候⑧車両挙動異常--の3種類が発生。一般道路でも高速道路でも、「ドライバーの抗眠気行動の増加(第1段階)」「眠気が強まり抗眠気行動が減少(第2段階)」「マイクロスリーブ行動兆候の増加(第3段階)」「車両挙動異常の急増(第4段階)」「衝突(第5段階)」と、段階的に変化する過程を明らかにした。
また、居眠り運転事故は、一般道路では追突事故、高速道路では側面衝突事故が多く、年齢的には若年層、時間帯的には夕方・深夜・早朝に多い傾向もわかった。
福通と広島大が2016年5月に締結した包括的連携協力協定に基づき、交通安全にかかわる調査・研究・開発・人材育成の一環として、広島大学大学院医系科学研究科睡眠医学講座・塩見利明寄附講座教授、熊谷元寄附講座准教授、川口健吾研究員及び同大学院人間社会科学研究科・林光緒教授らの研究グループが取り組んできたもの。
これまでの研究の多くは、運転シミュレーションや顔のサンプル映像などを用いて眠気について分析したり、ドライバーの目や顔といった局所や車両挙動のみの映像から分析している。今回の研究で行ったような実際にあった衝突事故のドライブレコーダー映像から、居眠り運転事故を包括的に分析した研究論文は発表されていない。