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運総研▼自動運転トラック単独レベル4に向け、機運あるが壁は高い

運総研▼自動運転トラック単独レベル4に向け、機運あるが壁は高い

 運輸総合研究所は「物流効率化のためのトラック自動運転の普及促進に向けて」をテーマに第89回運輸政策セミナーを20日に開催した。自動運転トラックは、政府のデジタル田園都市国家構想実現会議が先般、新東名・駿河沼津SA~浜松SA間に自動運転車用レーンを深夜時間帯に設置し、2024年度に実証を行い、26年度以降自動運転トラックによる物流サービスを実現する構想を打ち出している。

 セミナーは、はじめに国土交通省自動車局の多田善隆自動運転政策室長が講演。経済産業省と国土交通省による自動走行ビジネス検討会が21~25年度にRoAD to the L4を打ち出し、物流は隊列走行の実現を目指し、21年に実証実験を行ったものの、隊列への割り込みへの対応がうまくいかないなどの課題が顕在化したため、目下単独走行でのレベル4実現に向けた研究開発に注力していること、諸外国(米欧中)でも状況は同様であることことを説明。

 日本では、22年度にテストコースでの動作試験などを実施し、23年度以降にレベル2の公道実証を開始し、本線への合流、前方の他車の本線への合流、先読み情報(合流情報、落下物情報、工事規制情報、気象情報)をもとにした実証を行う。

 一方、今年4月に道路交通法の改正によりレベル4(特定条件下での自動運転)走行が制度上可能になったことから、自動運転トラックによる物流サービスの提供が注目されるようになった。

 しかし、講演の後行われたパネルディスカッションで、2024年問題に対応するため、政府が6月に策定する政策パッケージに自動運転トラックを位置付けることで一致はしたものの、初期コストが大きな課題となった。「物流事業者に負担(受益者負担)がかかり過ぎる」「広く負担を求められるか」「コストだけだと成り立たない。社会に根付かせるには、物流をどうするかの全体の中で考えなければならない」など、解決すべき課題は大きいことが浮き彫りになった。
 

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