ラッシングベルト
荷崩れを防止するため、貨物を固定したり締め付けるバックス式のベルトのこと。ラッシング(Lashiing)にはひもで縛る、固縛するなどの意味があります。
陸上・海上輸送、パレット搬送時など幅広く使用されます。
トラック内では、貨物が動かないよう、壁にあるラッシングレールにはめて使用します。航海中は、ワイヤーやロープを使ってコンテナや貨物を動かないよう本船に固定することをラッシングと呼んでいます。甲板上のコンテナをラッシングベルトで固縛すれば、船体も安定します。
ラッシングベルトには、ベルトの締め方の違いによってラチェットバックス式、オーバーセンターバックス式、カムバックス式の3種類があります。
ラチェットバックス式は、一方向の回転のみを伝え、反対の回転を伝えないラチェット構造。調節する側のベルトの長さを調節するため、ハンドルを「ガチャガチャ」と反復させることによってベルトが徐々に締まっていくので「ガッチャ」とも呼ばれています。3種類の中では最もよく使われています。
オーバーセンターバックス式は、ベルトを引っ張りながら締め付けてハンドルを倒してロックします。ベルトを緩める時は、ロックボタンを押しながらハンドルを上に上げます。
カムバックル式は、調節側のベルトを強く引っ張ると締まり、解除レバーを押すとベルトが緩みます。
道路貨物運送業の死亡事故は、①トラックや荷台からの転落・墜落②トラックや荷台での荷崩れ③フォークリフト使用時④トラックの無人暴走⑤トラック後退時の5項目で8割近くを占め、荷役5大災害と呼ばれます。
このうちトラックや荷台からの荷崩れは、積み降ろし時が全体の半数以上を占め、ラッシングベルトを緩めた途端に角材などが落下して死亡事故につながったケースもあり、ラッシングベルトによる適切な固定・固縛を行うことが肝要です。